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第10回

学会報告:メキシコ国際オーソモレキュラー医学会と英国生態環境医学会


2012年は国際オーソモレキュラー学会(本部:トロント)の会長として6月にバレンシア(スペイン)で、11月にメキシコシティー(メキシコ)とロンドン(イギリス)で招待講演を行いました。学会に出席をして感じるのは、オーソモレキュラー(分子栄養)医学が世界中で広がっていることです。本稿ではメキシコとロンドンの学会をレポートします。

■第1回国際メキシコ・オーソモレキュラー医学会

56写真(1).psd左よりカーター事務局長、オーリツ会長、著者2012年11月23~24日にメキシコ市内のシェラトン・マリア・イザベルホテルで第1回国際メキシコ・オーソモレキュラー医学会カンファレンスが開催されました。国際オーソモレキュラー医学会(ISOM)本部として日本から会長の私が出席、カナダの本部からはスティーブン・カーター事務局長が出席しました。
メキシコ・オーソモレキュラー医学会会長のロベルタ・オーリツ会長とカーター事務局長の挨拶で学会は幕を開け、メキシコ中から集まった医師・栄養士らによる熱心な発表と討論が行われました。初日の基調講演は点滴療法研究会のボードメンバーで、ビタミンCでは世界的に著名なトーマス・レヴィ氏による「ビタミンCと心臓病における分子栄養療法について」の講演が行われました。第1回の学会でもあり、一般講演は分子栄養医学全般にわたる実践的な内容が中心でした。
2日目の午後に被ばく対策の映画『a Gift』の上映会が行われました。この映画は私共の点滴療法研究会がISOM、株式会社SPICとで共同製作、ビタミンCが被ばくによる健康被害を防ぐことを世界の科学者によるインタビューでまとめた映画です。オーリツ会長が制作の経緯を紹介して上映開始、上映終了後には、学会の会場から自然と大きな拍手が湧きあがりました。休憩時間には、映画に登場したレヴィ先生、カーター事務局長、私の3人の周りに多くの出席者が集まり、握手を求められ、賛同と応援の言葉をいただきました。
引き続き、私の講演です。私は日本の点滴療法研究会が行った「高濃度ビタミンC点滴療法とがん患者のQOL:多施設共同研究」について話しました。メキシコでも高濃度ビタミンC点滴療法はよく知られています。出席者は 熱心に耳を傾け、また多くの質問があり、この治療に関する関心の深さが感じられました。
私の講演の後に、オーリツ会長の患者さんで高濃度ビタミンC点滴療法によって見事に回復したステージ4の乳がんの女性が登場、自身の体験を熱く語っていたのが印象的でした。
最後に、「来年はメキシコの有名なリゾートとして知られるカンクンで再会しよう」というオーリツ会長の言葉で2日間の熱い学会が締めくくられました。

■英国生態環境医学会

56写真(2).psdメキシコオーソモレキュラー医学会主催者と講演者(最前列右端が著者)メキシコ市からドイツのフランクフルトを経由してロンドンに到着、11月29~30日ロンドンで開催される英国生態環境医学会(British Society for Ecological Medicine)に出席しました。この学会は、アレルギーやがんなど環境因子で誘導される疾患に対する自然療法やキレーション療法などの統合医療を行う臨床医の学会です。会長のダミアン・ダウニング会長は点滴療法研究会の国際ボードメンバーであり、被ばく対策映画『a Gift』にも登場しています。私はダウニング会長より「栄養療法における進歩」のセッションで被ばく対策について講演を要請されました。
私はまず、震災の翌日に日本に向けて63人の救助隊と2頭の救助犬を派遣してくれた英国政府と英国民に感謝を伝えました。続けて「ビタミンCによる被ばく対策」の講演。15分間のイントロダクションのあと、映画『a Gift』(30分の短縮版)を上映。約70人の出席者は映画を観ながら頷き、データをカメラで 撮影するなど熱心に観ていました。その後、福島原発の作業員のデータを報告しました。
そして最後に、
「私は国際オーソモレキュラー医学会会長として、出席されている皆様にお願いがあります。映画と講演で紹介した通り、オーソモレキュラー栄養療法が放射線から身体を守る唯一の方法です。本日、このDVDを皆さんに差し上げます。ぜひご家族、ご友人と一緒にご覧いただき、子供たち、そして次世代の人類のためにこの栄養療法を広げてください。そして、この世界を核実験や原発のない平和で安全な場所にしましょう。私の友人である皆様、私たちはこの美しい惑星「地球」に共に住む家族です」
という言葉で締めくくりました。
何と出席者全員の拍手とスタンディングオベーションでした。ダウニング会長は、それを見て「私はこのような辛口の学会員全員によるスタンディングオベーションを学会が始まって以来見たことがない」と讃えてくれました。

■おわりに―国際交流の締結

私はメキシコ・オーソモレキュラー医学会のオーリツ会長、ならびに英国生態環境医学会のダウニング会長と会談、日本の点滴療法研究会との間で姉妹提携を結ぶことになりました。患者さんが旅行するときに、互いの国で同じ治療ができるように会員医師が紹介し合える相互交流の締結です。すでに点滴療法研究会では台湾、カナダ、米国、オーストラリアなどと提携が行われ、今後も増えていく計画です。

参考
(1)英国環境生物医学会 http://www.ecomed.org.uk/
(2)被ばく対策映画『a Gift』の予告編
http://hibakutaisaku.net/dvd/

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スピックサロン・メディカルクリニック

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1.psd柳澤 厚生(やなぎさわ あつお)
杏林大学医学部卒、同大学大学院修了。 医学博士。米国ジェファーソン医科大学リサーチフェロー、 杏林大学医学部内科講師、助教授、杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育センター所長。また、神奈川県鎌倉市にスピックサロン・メディカルクリニックを開設、キレーション、マイヤーズ・カクテル、グルタチオン療法、高濃度ビタミンC点滴療法などを日本に導入。米国先端治療会議認定キレーション療法専門医(CCT)、アメリカ心臓病学会特別正会員(FACC)。2009年第10回国際統合医学会会頭。2011年にカナダのトロント市に本部がある国際オーソモレキュラー医学会において殿堂入り。2012年より国際オーソモレキュラー医学会の会長に就任。著書に『ビタミンCががん細胞を殺す』(角川SSC)、『超高濃度ビタミンC点滴療法ハンドブック』(角川SSC)、『医師と患者のためのキレーション療法』(点滴療法研究会)などがある。