活動レポート

標準治療に「根元(ねもと)の医療」をプラスするがん治療
—「病気の根」を摘み取る「独自の医療」を実践

香川県坂出市は県北部のほぼ中央に位置し、雄大な瀬戸大橋と瀬戸内の多島美が織りなす景観を望むことができます。そんな美しい町の一隅に、今回、登場する堀口医院はあります。
同院は内科・リハビリテーション科を設け、かつMRI・CTをはじめとする各種検査機器を兼ね備えた「身近なホームドクター」として地域の人々の健康のために注力しています。その一方で、「根元(ねもと)の医療」を提唱し、細胞内検査や還元電子治療に代表される独自の医療も展開しています。
今回は、同院の理事長でもある堀口裕院長に、「根元の医療」・自己防御力診断・細胞内検査・還元電子治療などについて訊きました。

病気の根元は細胞にある

堀口医院①-2.psd堀口 裕(ほりぐち・ひろし) 1959年生まれ。 北海道北見市出身。1983年 室蘭工業大学工学部第2部機械工学科卒業。1992年 川崎医科大学を卒業し、医師免許取得。世界中医薬学会連合会 自然療法研究専門委員会副会長(2011年5月~2015年5月)。長年にわたり空気中のネガティブ(マイナス)イオンの生理的作用について詳細に研究。現在、独自に開発した細胞内検査と還元電子治療を駆使し、病気を治す根元医療を目指して国内外で活動している。──まずは、堀口先生が実践されている「根元の医療」の概念をお聞かせください。
堀口 私たちが使っている「根元の医療」という言葉は、従来からあったものではありません。では、どのような医療かと言えば、このようなことが言えます。「治療しても、治療しても、病気が根っからよくならない」「一見よくなったように見えても、また病気が出てくる」といった表現は、今日の医療事情を説明するのにぴったりかもしれません。
 われわれは素晴らしい医療技術を持っているにも関わらず、なぜ病気を完治させることができないのでしょうか。それは、すでにできてしまった病気を治療するのは今の医療技術で対処できるものの、病気が起こる〝根っこ〟の部分についてはほとんど手つかずの状態にあるからです。その点に鑑み、私たちは、見えている病気そのものに対して治療を行うのと同時に、病気が起こる根元部分の治療も行う必要があると捉えています。前者が「対症療法」と呼ばれるのに対し、後者を「根元の治療」と称しています。
──先生がおっしゃる「病気の根元」とは、どのようなものを指すのでしょうか?
堀口 「細胞の病気」です。私たちの体内にある脳や肝臓、腎臓、筋肉、骨などは、すべて細胞でつくられています。仮に脳の細胞の具合が悪ければ認知症やパーキンソン病になってしまうかもしれませんし、肝臓の細胞が壊れて放置しておけば肝炎や肝硬変になってしまうでしょう。あるいは、もし骨をつくる細胞に元気がなくなれば、やがて骨粗鬆症になってしまうはずです。
 では病気になるとき、細胞に何が起こっているかと言えば、とても単純なことです。細胞に老廃物が溜まっているのです。この老廃物は「酸化の老廃物」と「酸性の老廃物」の2つがあり、細胞でエネルギーがつくり出されるときに必ず発生します。「酸化の老廃物」は細胞を酸化させる老廃物で、活性酸素やフリーラジカルなどです。「酸性の老廃物」は乳酸や二酸化炭素など水素イオンをもたらす物質です。これらが細胞を病気へと誘導し、やがて私たちの病気に繋がってしまうのです。
──私たちは、その老廃物をどのように除去しているのですか?
堀口 その方法は自然界の中にあります。1つは食べ物に含まれる抗酸化物質で、代表的なものにビタミンCやα–リポ酸、コエンザイムQ10などが挙げられます。要は、ビタミン類・アミノ酸類・ミネラル・酵素・補酵素などです。そして、もう1つは空気の中にあるネガティブイオン(マイナスイオン)で、それは大気汚染の少ない森林や滝、緑の草原、適度の気温と湿度を持つ地域に多く存在します。実は、これらの物質には細胞の老廃物を除去するためのある共通の因子が存在しています。それは「電子」です。つまり、細胞の老廃物を除去するために電子が用いられているのです。言い換えれば、電子だけが細胞を病気から救うことができるというわけです。
 私たちは、たとえ病気に罹患していなくても定期的に細胞の老廃物を調べ、もし老廃物が蓄積しているとわかれば、食べ物や空気からより多くの電子を取り入れるようにしなければなりません。しかし、慢性的に老廃物の蓄積があると、食べ物や空気が持つ電子だけでは細胞の老廃物を十分に除去できない場合もあります。
 また、すでに病気が発症している場合、あるいはそれが重症化している場合には相当の電子の供給が必要になります。そこでより効率的にたくさんの電子を細胞に与えるために電子を補充する治療が不可欠です。後述しますが、私たちはその電子補充治療を「還元電子治療」と呼んでいます。

独自で開発した、自己防御力診断

──先生は「自己防御力」という言葉も用いていますが、これはどのような意味なのでしょうか?
堀口 先述の「根元の医療」は、例えれば雑草の葉・茎と根の部分で言い表せます。私たちは地面の上に出ている雑草の葉と茎が雑草だと思い込んでいますが、それを引っこ抜くと必ず根っこも出てきます。もし、見えている葉と茎を切り落として雑草がなくなったと思っても、根は残っているわけですから再びその芽が生えてくる可能性が高いわけです。その根を抜いてしまえば、葉も茎も枯れていくに違いありません。それを現在の医療に置き換えると、実は私たち医師が診ているのは病気の葉や茎の部分、つまり幹だけを診ているのであって、地中にはその根っこが生えているに違いないのです。
堀口医院⑤.psd本誌(2013年8月号)でも紹介された還元電子治療は、大きな反響があった 私たちは、たとえばがんであれば、その見えている部分を手術で摘出したり、放射線を照射したりしています。ですが、再び病気の芽を出すのであろう根の部分に関しては、まったく論じられていません。そこで、「病気の根」を考えて治療しなければいけないという考えのもと、定義として、私たちの体には元々「病気を出さないという力」が備わっているのではないだろうかと捉えました。それを「自己防御力」と呼んでいます。
従来から「自然治癒力」という言葉もあるのですが定まった定義がないため、私たちは「自分の体に初めからある『病気を出さないための力』」という意味で、自己防御力と呼ぶようにしています。つまり、この力が極端に弱くなった状態が「病気の根」です。自己防御力が強いままであれば、最終的には老衰のごとく一生を終えるチャンスもあります。しかし、自己防御力が弱ければ、それが「病気の根」となって、やがて本格的な病気になるに違いないと考えています。したがって、病気を調べてそれを治す「現代の医療」と、「病気の根」を調べてそれを治す「根元の医療」の両方が不可欠だと考えています。
堀口医院⑧.psd自由に運動庭園を散策できる──現代医療に「根元の医療」をプラスしていくのが先生の基本的なスタンスなのですね。
堀口 はい。実際に、当院を受診するがん患者さんに対しては、手術や抗がん剤治療などを行う予定であれば、基本的にそれに加えて「根元の医療」をプラスしていこうというのが、当院の20年来の方針です。
 私たちもMRI・CT・超音波検査などの各種検査を行いますが、そこへ手術や放射線治療、薬剤の投与などをしても、それは地面の上の
〝茎〟しか治療しておらず、再び雑草が生えてくることになります。そこで、「根元の医療」として「病気の根」を調べて治療することが大切になってきます。その「病気の根」を調べる検査を「自己防御力診断」と称しています。
 長年のストレス・過労、あるいは大気・土壌・水質の汚染などによって、「病気を出さない」という力が非常に弱くなった状態である「病気の根」を調べれば病気の解決の糸口が掴めるはずです。私たちは、その測定方法を20年かけてつくりあげてきました。自己防御力診断で〝根〟が生えているか否かを調べ、あった場合には先述の還元電子治療を行うわけです。それが「根元の医療」です。その際、必ず対症療法を行いながら自己防御力の回復を待つという形をとっています。
 もちろん、還元電子治療は、病気に対する直接的な治療法ではありません。あくまでも、病気の〝根〟を抜いていく治療法です。
スライド1.psd資料1 自己防御力診断とは──その自己防御力診断の要諦を教えてください。
堀口 自己防御力診断では、患者さんの「細胞の元気度」「免疫力の丈夫さ」「炎症の鎮静度」の3つを解析します(資料1参照)。私たちは、この3つを治療することで、たとえばがん患者さんのQOL(生活の質)を改善できると確信しています。加えて言えば、この3つが回復できれば、ほぼ治癒という状態を目指す、あるいは治癒を目指す態勢が整ったと言っても過言ではないと思います。
──「細胞の元気度」とはどのような指標なのですか?
堀口 私たちの体は細胞でしかできていません。結局、どこが病気になるのかと突き詰めていけば、それは細胞です。では、どのように「細胞の元気度」を調べるのかと言えば、私たちは「細胞の中の老廃物を調べる」という手法を独自に考案し、それを実行しています。それが特許を取得した「細胞内検査」です(資料2参照)。
スライド2.psd資料2 細胞内検査 細胞の中では、摂取した食事を燃やすと必ず老廃物ができます。そして、その老廃物によって細胞が変性・変異して「病気の細胞」になっていく。もう1つは、末梢微小循環(血行)が非常に悪くなれば、当然、栄養がすべての細胞に行き渡りませんので、細胞の機能が低下してしまいます。つまり、末梢微小循環の状態が悪ければ細胞の元気は、最初から出ないはずです。したがって、細胞の老廃物が溜まり過ぎるか、あるいは血液循環が非常に悪いか、またはその両方が重なって細胞はどんどん病気になっていくと考えて間違いないだろうと捉えています。細胞を錆びつかせる老廃物である酸化物質(活性酸素・フリーラジカルなど)について、多くの医療機関が血液や尿、唾液を調べているのですが、私たちはあくまでも細胞の中を調べなければいけないという考え方でやっています。
 一昔前に「酸性体質」という言葉がありましたが、細胞の中でモノが燃焼すると錆びも出ますし、二酸化炭素や乳酸なども生まれます。それらが蓄積されて細胞の代謝が悪化するのです。私たちの細胞がどんどん老化していったり、壊れていったりするのは、酸化・酸性という老廃物が蓄積されて細胞が病気になってしまう、あるいは壊れてしまうからだと考えていいと思います。
 細胞内検査では、細胞の中の酸化(錆び)・酸性の老廃物を調べます。一方、細胞の中は、細胞の外側、つまり間質の影響を強く受けますので、細胞の外側の酸化・酸性の老廃物の量も調べておかなければなりません。この検査で使うのは赤血球細胞ですので、赤血球の外側は血液ですから、血液中の酸化・酸性の老廃物の量を調べるということになります。
 また、末梢の細胞レベルの血液循環は、酸素分圧・二酸化炭素分圧を静脈血で調べます。静脈血の中の酸素分圧が非常に低ければ末梢組織の低酸素症、つまり酸素が行っていない状態ということになり、血液循環が悪いため、ということになります。一方、細胞から出てくる二酸化炭素が静脈血の中に非常に多いということは、末梢の微小循環がきわめて悪く、静脈の中に二酸化炭素が溢れてしまっていると考えられます。酸素分圧が低くても、二酸化炭素分圧が高くても、末梢の血液循環が悪いと評価していいだろうということで、この項目を細胞内検査に用いています。
 それと、エネルギー産生能として、赤血球細胞の中のピルビン酸と乳酸の比を取ると、細胞の中でエネルギーがつくられているか否かを知ることができます。ですから、その項目も細胞内検査の1つに入っています。
スライド3.psd資料3 免疫バランス評価シート1「数」スライド4.psd資料4 免疫バランス評価シート2「力強さ」──「免疫力の丈夫さ」と「炎症の鎮静度」についても教えてください。
堀口 「細胞の元気度」が悪くても、60歳・70歳と元気でいられるのは、病気になった細胞を抜き取って間引いてくれるものが、私たちの体内に存在しているからです。それが免疫システムです。その主体である免疫細胞に「病気の細胞」を取り除く力強さがあるのか否かを評価するのが「免疫力の丈夫さ」という指標です。私たちは単球とリンパ球の数・割合から、「免疫力の丈夫さ」を評価するオリジナルの成績表をつくりました(資料3・4参照)。この2つの表からその人の免疫機能を簡単に把握することが可能です。
 「炎症の鎮静度」ですが、炎症への対応は自己防御力を丈夫にするうえで大きなポイントとなります。私たちは、たとえば肝臓の病気を肝炎、肺の病気を肺炎、胃腸の病気を胃腸炎……などと「炎」という字が病名に付くことが当たり前のように思っていますが、その意味をよくよく考えた人はあまりいないでしょう。実は、肝炎、肺炎、胃腸炎……などというのは、その臓器に炎症があるという意味です。したがって、私たちが「今日は肝臓の炎症がひどいですね」と診察しているのは、それは「肝臓病が重いです」と言っているのと同じです。
 たとえば、がんにもたいへんな炎症があり、その炎症ががんを重症化させているのです。そこで、私たちは、炎症が「病気の重症度」を決めている点に着目したのです。
 心身のストレスや過労という「急峻な山」が体内にあると、全力でそれを乗り越えようとします。すると、当然、自律神経の乱れもあって、免疫機能も低下してきます。そして、やがて炎症と呼ばれるものが体内に出されるようになり、それは免疫バランスが悪くなっている人ほど大きくなります。
 一般的に、炎症の程度はCRP(C反応性蛋白)などを使って診ますが、それで診るのはすでに病気があるという状態で、「病気の根」の段階で炎症の状況を把握するには不向きです。そこで、私たちは、株式会社SRLという会社に委託して「ラジカル生成能」を調べる検査をしています。ラジカル生成能は酸化ストレスを調べる値なのですが、微小な「病気の根」の段階での炎症の状況を把握するのに適しています。私どもの臨床経験からがんの患者さんであれば、その数値を150(Unit)以下にコントロールすれば腫瘍の増殖が遅くなるのがわかっています。逆に、数値が185以上ならば炎症がひどい状態で、病気の細胞が増えることがわかっています。
「細胞の元気度」がいちばん大切なのですが、仮に悪くても丈夫な免疫力があれば、「病気の細胞」を摘まんで捨てるという作業が体内でできています。そのような人は、なかなか病気を発生させません。しかし、炎症が大きければ大きいほど「病気の細胞」が増えてしまい、炎症が小さければ小さいほど「病気の細胞」は増えなくなります。ですから、細胞の新陳代謝や免疫バランスがとても良好でまったく炎症がないという状態は、もっとも自己防御力が丈夫だと言えるのです。そして、それを目指して治療していくのが、私たちの「根元の医療」です。

3大治療をする前から自己防御力を徹底的に高める

スライド5.psd資料5 還元電子治療風景──「病気の根」を摘み取るには、先程、お話にあった還元電子治療を用いるのでしょうか?
堀口 はい。先述のように、ビタミン類・アミノ酸類・ミネラル・酵素・補酵素などの抗酸化物質は電子を持ち合わせています。ちなみに、抗酸化物質は、電子を持っている「還元型抗酸化物質」と、電子を持たなくなった「酸化型抗酸化物質」の2つに区別できます。また、先程、お話ししたように空気の中にあるネガティブイオンも電子を持っています。そして、これらの電子だけが細胞を病気から救うことができるというわけです。こうした観点から、私たちが開発した還元電子治療は、抗酸化物質やネガティブイオンを取り入れることが十分できない場合、最も効果的に電子を取り込み、細胞を磨いて「病気の根」を摘み取ります(資料5参照)。
スライド6.psd資料6 電子が運搬される仕組み──還元電子治療によって与えられた電子は、どのようにして細胞まで届くのですか?
堀口 血液の中に存在する酸化型抗酸化物質に電子を積み、細胞まで届けるのです(資料6参照)。
──がん患者さんにとって、還元電子治療はどのような利点があるのですか?
堀口 がんという病気は、手術や抗がん剤、放射線などでがん細胞の数を減らすことが大事です。その反面、この3大治療は、ただでさえ弱っているがん患者さんの自己防御力をさらに弱めることにも繋がります。病気が治っても、すぐに再発してしまうのは、そのようなからくりがあるからです。そこで、3大治療をする前から自己防御力を徹底的に丈夫にするための治療(還元電子治療)を行い、十分に自己防御力を高めた状況で3大治療に入っていく。そして、3大治療をしている最中も自己防御力を高める治療を続けていく。さらに、3大治療が終わった後も自己防御力を高める治療を続ける。その結果、最終的に自己防御力が丈夫な状態を維持していた患者さんを再発せずに治癒したと言われる状態まで導けることになるのです。
──最後に、読者にメッセージをください。
堀口 先進医療を受けられる身近な医療機関として、患者さんの健康を守るために信頼される医療を実践する。懇切丁寧かつ迅速な診療を目指す。患者さんがリラックスして治療が受けられる「快適な環境」を整える。高水準な「良質の医療」を通し、治療医学・予防医学に貢献する、といったものが当院のコンセプトです。
 お陰様で、現在、当院は、日本国内をはじめとして、海外からの患者さんにもご利用いただいております。多くの方々にとって健康が、いちばん大切で幸せなことなのではないでしょうか。その意味で、私たちは、これからも誠心誠意、皆様の健康づくりのお手伝いをしていきたいと思っています。