活動レポート

オゾン療法と高濃度ビタミンC点滴療法ほか、各種療法との組み合わせで治療効果

当院では、がん治療に血液クレンジング(オゾン)療法を併用していますが、自然治癒力を高めることが主な目的です。自然治癒力を高めると以下のような効果が期待できます。
①がんに対する抵抗力を強化しがんが増生し難い体質改善、②がん治療との併用による治療効果の向上、③抗がん治療による副作用の軽減、④闘病を続ける患者さんのQOL(生活の質)の改善、⑤直接の抗がん効果、などです。

医師の役割は、「自然治癒力」を助けることである

近代西洋医学は実証的学問として発達し、個々の治療法を統計的・科学的に検証し、エビデンスに基づく医療として効果を上げてきました。しかし、一方で近代西洋医学だけでは疾患の完治に限界が見え始めています。従来と異なる視点から一部の代替医療を治療法に取り込む統合医療の必要性があります。代替医療に注目しているのは、これらの医療に共通するのは自然治癒力であろうと考えるからです。
医学の源流と言われる古代ギリシャのヒポクラテスは、ヒトには自身の不調を治す働き(自然治癒力)が備わっていると指摘しました。そして「医師の役割はこの自然治癒を助けることで、医師は身体の働きをよく観察し、治癒の妨げを取り除くことで健康を取り戻す」と述べています。
もう1度、この原点に戻って医療を考える時期ではないでしょうか?

「自然治癒力」とは、何でしょう

自然治癒力は、身体に何らかの異常や損傷が発生したときに、自分の意識とは関係なく、自動的に自己修復プロセスを活性化させるシステムと言えます。
自然治癒力には、「自己防衛機能」と「自己再生機能」があり、きわめて精巧な体内の医療システムです。もしこの自然治癒力がゼロであった場合、どれほど優れた医療を施しても、簡単な病気でさえ治らないのです。
自然治癒力の実態を具体的に表現すると、免疫力、抗酸化力、血液循環、適正体温、適正酸素濃度、細胞エネルギー産生力、正常ホルモン分泌、自律神経バランス、適正分子栄養など多数の要因があり、これらの総合力が自然治癒力だと思います。老化とともに、これらの要因の一部がバランスを崩したり、不足したりで自然治癒力が低下していきます。自然治癒力の低下の原因は、老化のほかに、生活習慣の中にたくさんあり、生活習慣を正すことで回復も可能です。
老化によって低下した自然治癒力を回復するには、血液クレンジングがもっとも効果的な療法と言えます。

がんが発生しやすい体内環境とは

がん細胞の発生要因は、食品添加物、喫煙、慢性感染、大気汚染など、主に生活習慣から来る要因が挙げられます。
発生したがん細胞が増える要因として自然治癒力低下があり、特に、免疫力低下、抗酸化力低下、体温や酸素濃度の低下などが関与しています。

血液クレンジング(オゾン)療法が自然治癒力を強化

血液クレンジング(オゾン)療法の効果 血液の酸素供給改善
末梢血液循環の改善と体温の上昇
抗酸化力の強化(抗酸化酵素の増加)
免疫系の強化・活性細胞のエネルギー産生増加(ミトコンドリア機能活性)
神経内分泌系の活性化
血液クレンジングによるがん治療効果 血流の改善、虚血組織と腫瘍組織への酸素運搬の向上、低体温の改善
慢性酸化ストレス是正でアポトーシス誘導
免疫系の活性強化
酸化ショック蛋白を増産し、がん抗原を顕示
全身の代謝の改善(QOLの改善)
Reth,M.,Hydrogen peroxide as second messenger in lymphocyte activation Nture lmmenology.3:1129-1134,2002

血液クレンジングの方法は、最初に末梢血液(約100㎖)をガラス瓶に採取し、そこに同量のオゾンガスを入れて反応させます。ここで起こる反応は、まず血漿の中に溶けたオゾンが過酸化水素と過酸化脂質を発生させます。この過酸化水素と過酸化脂質がセカンドメッセンジャーとして働くのですが、これらのメッセンジャーはガラス瓶の中で瞬時に赤血球内に入り、数々の生化学経路を活性化させます。
再注入された赤血球では、2、3–DPGレベルが上がるために酸素ヘモグロビン解離曲線が右方シフトすることで、虚血組織への酸素運搬が強化されます。他の作用として抗酸化力の強化があり、それにより慢性酸化ストレス状態を是正し、細胞の酸化還元電位を改善します。
酸化NADPはペントースリン酸の回路の活性化後に還元されるので、解糖が加速され細胞エネルギーATPが増えます。
ほかにも、リンパ球を増やしたり免疫系の強化が起こります。また神経内分泌系を活性化するので、活力が出て全体的に元気な状態が引き出されます。総合的には自然治癒力の強化となります。

血液クレンジング(オゾン)の抗腫瘍作用

オゾンが直接的にがん細胞を殺傷する効果は、通常の血液クレンジング療法では期待できませんが、動物実験などでがん組織にオゾンを直接注射するとがん組織の退縮が認められます。
間接的には、がん組織の酸素化によって、ミトコンドリアを活性化しアポトーシスを促したり、過酸化脂質代謝産物ががん細胞に取り込まれ、細胞がアポトーシスを起こす報告があり、がんの退縮効果が期待できます。

血液クレンジングと各種がん治療併用効果

当院では、血液クレンジングに併用する治療として、高濃度ビタミンC点滴、高濃度α–リポ酸点滴、IPT療法、深部加温療法、各種免疫強化療法などです。血液クレンジング併用の効果について、統計的処理をするまでに至っていませんが、理論的に自然治癒力を高めながらの抗がん治療が効果的であろうとの考えから行っています。
血液クレンジングの効果として、前述したように、自然治癒力を高める効果であり、細胞の活性化から、体内に体温、酸素、エネルギーが満ちてきて、免疫強化、抗酸化強化、内分泌の調整などの効果があり、併用治療としての相乗効果が期待できます。
また、低下した食欲や、意欲が復活し体力が正常化に向かうなど、QOL(生活の質)の向上がほぼ全員に体感されます。

高濃度ビタミンC療法

もっとも多い併用治療が高濃度ビタミンC点滴です。血液クレンジングと高濃度ビタミンC点滴は相性が良いといわれています。
しかし、注意する点は、最初にビタミンCを点滴してから血液クレンジングを行うと、お互いに相殺されてしまうことです。最初に血液クレンジングを行い、次にビタミンC点滴というのが適切な順序です。
血液クレンジングの頻度ですが、通常は月に2~4回行っています。

高濃度α−リポ酸点滴

この場合も、高濃度α–リポ酸点滴は血液クレンジングの後に行います。がん細胞はミトコンドリアの使用を禁じて嫌気的解糖を行う細胞ですが、α–リポ酸はミトコンドリアの活性化を促し、血液クレンジングも同様の効果がありますので、がん細胞のアポトーシスを促す作用が期待できます。

深部加温療法

身体の深部まで高周波エネルギーを送り込み、そのエネルギーで39℃以上の温熱効果が得られます。身体の深部に送り込んだ高容量エネルギーが各組織に安全レベルのジュール熱を発生させ、免疫に関係のある組織から活性化していきます。この温熱効果は各細胞にHSP(ヒートショックプロテイン)を増加させることが判明し、免疫の増強作用と抗がん作用強化が報告されています。
血液クレンジングと併用する場合は、通常同時に行います。血液循環改善と細胞代謝改善によるエネルギー増加、それに免疫強化と血液クレンジングによる酸化ショックプロテイン増加などがあり、併用療法として相性がとても良好です。

IPT(インスリン強化)療法

アミグダリン(ビタミンB17)を効果的に取り込ませるために、インスリン投与で一時的に低血糖状態にします。その後、天然抗がん剤であるアミグダリンを点滴します。アミグダリンは糖と一緒に選択的にがん細胞に取り込まれます。がん細胞が正常細胞より約16倍も糖を取り込む特性を利用した治療法です。
通常、IPT療法の後に、高濃度ビタミンC点滴を併用しますが、月に約2回血液クレンジングをIPT療法後に行い、その日は高濃度ビタミンC点滴をしません。

免疫強化療法

免疫強化療法として、①BAK療法、②5種複合免疫療法、③樹状細胞療法、④高活性化NK細胞療法、⑤活性化キラーT細胞療法、などがあります。
患者さんの状態に合わせて選べるようにしていますが、免疫療法をサポートする血液クレンジングは強化リンパ球の投与直後か、5~7日後にクレンジングを行っています。投与したリンパ球の活性化に効果的ですが、次の培養のための活性化目的としても行っています。

おわりに

自然界では、あらゆる生物が自己の自然治癒力で病気を治し、自然治癒力が低下した状態では病気に負けて、朽ちていくことを繰り返しています。
ヒトは医術を発展させてきました。しかしヒトも自然界の生物であり、決して例外ではありません。医術で自然治癒力を維持し、強化できれば、理想の医療に近づくでしょう。

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森先生カラー.jpgオゾン療法と高濃度ビタミンC点滴療法ほか、各種療法との組み合わせで治療効果

(2014年2月68号掲載)

森 吉臣 

医療法人社団健若会 赤坂腫瘍内科クリニック理事長・総院長
血液クレンジング普及会会長