先生方より祝辞

祝 通巻150号「おめでとうございます」

祝辞

帯津三敬病院名誉院長
帯津三敬塾クリニック顧問
帯津 良一

刊誌『統合医療でがんに克つ』通巻150号、おめでとうございます。
がんという病はからだだけの病ではなく、こころにもいのちにも深くかかわった病です。ですから主としてからだだけを診る西洋医学だけでこれに対したのでは手を焼くのは当然で、ここはどうしてもいのちに立ち向かう代替療法をあわせた統合医学をもってしなければならないのです。
しかし、いのちについてはまだ科学が解明していませんので、代替療法がエビデンスを備えるわけにはいきません。このことを理由にまだいのちの世界に進出を果たしていない西洋医学が代替療法を排斥するのは御門違いというもので、むしろ「その意気や好し!」として両者が協力して新しい地平を切り開いていくべきなのです。
本誌もかつてはいろいろご苦労があったとは思いますが、時代はいのちの世界に向かって動き出しています。新しい地平に向かう先兵としての本誌の役割は決して小さいものではありません。自信と気迫をもって勇往邁進してください。衷心よりエールをお送り申し上げます。

「町医者ががん患者を診る時代を推進」

国際オーソモレキュラー医学会 会長
点滴療法研究会 会長

柳澤 厚生
『統合医療でがんに克つ』第150号、おめでとうございます。
貴誌が第1号を出版された2008年は、大病院の腫瘍専門医だけががん治療をするのが当たり前であり、医学会では「町医者である開業医ががん患者の治療に関わるなんてとんでもない」という空気がありました。
しかし、貴誌が高濃度ビタミンC点滴療法、オゾン療法、免疫細胞療法、栄養療法などの幅広い統合医療を医療関係者や市民に伝えたことにより、統合医療ががん治療の選択肢として認知が拡がり、開業医ががん患者の治療をする時代の幕が開きました。
がんの3大治療法である外科手術、放射線治療、化学療法には限界があることを医師や国民が気づいています。統合医療は市民のための医学です。私はもっともっと町医者が統合医療を導入し、多くの望んでいるがん患者さんに提供してもらいたいと願っています。
貴誌にはこれからも全国の統合医療クリニックの応援を期待しています。

「大喜力生一切」

バイオレゾナンス医学会理事長
Y.H.C.矢山クリニック院長

矢山 利彦
「統合医療」という言葉が世の中に知られつつあります。臓器別医学の枠を超えた総合診療科という新しい科も広がりつつあり、若いドクターが生まれています。この勢いはますます強くなり、衰えることは決してないはずです。なぜなら人間の体は臓器の集合だけでなく、有機的に連絡し合って働いているからです。そのような真実の人体観を基礎に置く医療が「統合医療」なのです。しかし、これを実務として実践していくには幅広い知識とスペシャルな医療技術を持つことが求められます。さらに身体のみならず、心・意識の在り方が脳のコンディション、そして免疫に関与することも視野に入れなければなりません。患者さんや一般の方々も、統合医療的発想に基づいた食、洗剤、化粧品、電磁波、心の在り方について真の情報を学び実践していかなければなりません。このような展望を描けば、貴誌の先見性と重要性は増すばかりです。
しかし、私も含めて「これは大変だー」という気持ちも湧いてきます。そこで、自作の合言葉を一つ「大喜力生一切」。
頑張り努力を越えた大いなる喜びのうちに行う力によって、一切は生じていくという意味です。

がん難病でなくなる日まで〟役割を果たされることを祈念しています

一般社団法人日本先制臨床医学会 統合腫瘍治療研究部会長
医療法人医新会 よろずクリニック 院長

萬 憲彰
誌『統合医療でがんに克つ』通巻150号のご発刊を衷心よりお祝い申し上げます。
小生が消化器内科医として開業し数年が経過していくなかで、通常診療では太刀打ちできない患者さんと向き合ったときに最初に手に取ったのが『統合医療でがんに克つ』でした。誌面には今まで見たことも聞いたこともないような医学情報があふれており、驚愕したことを覚えています。
日本には未だ標準治療オンリーの信仰が根付いており、それはもちろん重要ではあります。しかし、それだけでは解決しない難病や進行がんの患者さんが必要な情報や治療法を得ることができず、残念ながら難民化しているという現実もあります。
ガイドラインの存在しない医療、それはn=1(1人の患者)と向き合う医療だと思います。1人1人の臨床医がそれぞれの治験を提示し臨床に生かすことで、さらなるエビデンスの向上につながります。巨額の研究費を回収しなければならない製薬会社の薬剤だけが絶対の治療ではなく、私たち一臨床医から始まる医療があってもよいのです。
そういった医療の情報交換の場、患者さんへの啓発の場として『統合医療でがんに克つ』は今後も重要な役割を担っていくことと思います。
これからも〝がんが難病でなくなる日まで〟貴誌が役割を果たされることを祈念しております。